開催当日は雨の中での開催でしたが、来場者の切れ目が無いまま閉会の時間を迎えました。
元から開会と同時に人がどっと流れ込むような性質の催しではなく、閑散とした雰囲気にならないか心配しておりましたが、サークル参加者からは好印象の感想をいただき、ほっとしています。
今回はハンドメイドやドールなど、主に造形で活動されるサークルについても積極的に募集を行いました。これは、かつて同人誌を制作してた方の活動分野が造形に遷移したことへの対応です。
造形で参加したサークル参加者からは、マルシェやフリーマーケットでは扱いにくかった同人誌の展示頒布が岩漫では両方とも受け入れられて嬉しい、という感想をいただきました。
このジャンルで参加したサークルには特に多くの方が訪れていました。主催側として会場配置で考慮しましたが、功を奏したようです。
企画については新しい取り組みを行いました。刀剣関連資料の企画展示は刀の拓本である押形や、白鞘の実物展示を行いました。
刀剣を擬人化したゲームが大変有名ですが、この擬人化は刀剣の二次創作ともいえるでしょう。全国各地の博物館ではこのゲームとコラボした企画展などが行われていますが、刀剣分野で活躍される職人が手がけた作品を展示紹介する取組みは、おそらくは同人誌即売会として全国初の企画だと思います。
また、岩手ゆかりの先人についての企画参加では、実在の人物を二次創作化したゲームとのコラボイベントの紹介、先人関連書籍やオリジナルグッズの販売、解説資料の配付を行いました。訪れた方からは、先人と岩手とのゆかりについて初めて知った、コラボイベントが当地で行われた理由を初めて知った等、多くの気づきの声をいただきました。地元の先人顕彰活動と直接コラボする取組みも、おそらくは同人誌即売会として全国初の企画ではないでしょうか。
参加したサークルを巡ってお話を伺いましたが、岩漫の再開がここまで待ち望まれていたのか、というのが正直な感想です。中止から13年経ったこと、中止に伴い参加費や書類をサークルへ返却した事情もあり、過去に参加したサークルに案内が出せず、実質的に新規イベントと同様の状態での募集でした。参加サークルが本当に集まってくれるのか、最後の最後まで悩んでおりましたが、皆さんは会場の様子をどのように感じたでしょうか。
あの日から13年が過ぎました。
休止前の岩漫62に参加するはずだった方が、再開した会場には居ませんでした。
あの日斃れ、志半ばで参加が叶わなくなったその方を、13年間忘れたことはありません。
あの日が来るたびに、現地で花を手向けてきました。
再開を誓った以上、そのまま終わることは出来ない。いつかは再開しなければ、と。
その場所はすっかり変わり、あの日以前の面影はありません。
14年ぶりの岩漫、皆さんはどのように感じたでしょうか。
再開までの間にコロナ禍、会場の大規模改修など、多くのハードルがありました。
2023年11月に岩漫63の再開を告知して約10ヶ月。
2024年9月22日午前11時。
岩漫61から14年の時を経て岩漫63は開会し、午後3時に閉会しました。
開催にご協力いただいた方、当日会場へ来場された皆さんに、改めてお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
同人誌を購入するならWebや書店で事足ります。交流するなら配信で事足ります。
岩漫は同人誌即売会の場を通じて、参加者に体験価値を提供する器としての役割を果たします。
次回の岩漫は2025年9月に開催を予定しております。
開催要項は来年春頃にお知らせする予定です。
岩漫は帰ってきました。
岩漫は終わりません。
新たな発見と出会いが生まれる場となることを期待して、次の岩漫をお待ちください。